言葉にできていないものを言語化する <「弱いつながり 〜検索ワードを探す旅」東浩紀>
おはようございます。
やっぱり哲学って面白い。今回は本書について。
弱いつながり 検索ワードを探す旅 東浩紀 幻冬舎 2014-08-01 売り上げランキング : 3193 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
どんな本か
リアルとネットの関係についての哲学です。哲学というと難しくて読めない、、、ってことは多々あるのですが、本書はすごく平易な言葉で書かれていて、おすすめです。
そして、自分の仕事にも関係する部分が多々あったので書き留めておきます。
(そもそも哲学なのであらゆる人間の営みに関係するのですね。)
言語の限界
言葉には限界がある。
それは誰もがわかっているはずなのですが、どうしても言葉が重視される時代です。ロジカルシンキングやビジネス書が毎年大量に出版されることからみてもわかることでしょう。みんな言葉を求めています。言葉で理解することが多いから。
しかし、言葉が無力なときがあります。
例えば、東日本大震災の被災地の状況をどう伝えるか。チェルノブイリの状況をどう伝えるか。アウシュビッツの当時の状況をどう伝えるか。いま、そして将来にどう伝えていくのか。
どうでしょう?あなたは言葉でこれを伝えられますか?
一方でデリダの哲学を研究し、言葉の無力さを学んできたという経緯から、他方でネットにずっと触れ、自分や友人の「炎上」を数多く見てきたという経験から、「言葉だけでは争いを止められないということを前提として、では争いを止めるためにはどうすればよいのか」に関心をもち、考えてきました。
そこぼく僕が辿りついたのは、「モノ」が大事だという結論です。より正確に言えば、時間や経験といった「言葉の外部にあるもの」。(同書p.98より)
言葉の限界を越えること
- 言葉によるメタゲームをやりすぎないこと。
- 言葉の外にある時間や経験といった「モノ」を使うこと。
- 言語化できない「モノ」を言葉に置き換えること。
ここにいまやろうとしている「見える化」「仕組み化」「標準化」のヒントがあるような気がします。
言葉にできていないものを言語化する(見える化する)。
言葉にできていないものには、言葉にしやすいものと言葉にしにくいものがあります。言葉にしにくいものを、言葉でとにかく突き詰めて表現することはしない。(ある意味そこは文筆家に任せればいい。)言葉だけで突き詰めるのではなく、「モノ」つまり人間が触れられる現物を使う。ということです。
たとえば、アウシュビッツの当時の凄まじい状況を言葉に表すことができません。できるかもしれませんが、伝わらない。そこでどうするか。それを観光地として開放することでその記憶を後世に伝えていると本書では紹介されています。
これは昨今、バズワードにもなってしまっている「デザイン思考」にも通ずるところがあります。人間の行動や感情ベース、つまり言葉やロジック(論理)ではなく、人間の情動や行為などの「モノ」を重視して考えようということです。また、「IoT」などもまさに「Things=モノ」を大切にします。まさに、このことかと。
どんなにIT化やクラウド化が進んだとしても、最後の最後では「ヒト」が行為するのだ、だから、「ヒト」の行動や感情を大切にして仕組みを作る必要がある、というもともと私が考えている思考にもつながりました。まさか、哲学の本、を読んでいてつながるとは、という感じですが、すっと気持ち良く脳に入っていきました。
たぶん、この方向性は間違っていない。
勇気が出ました。
戻る現実などはありません。
私たちは記号しか知らない。
だから記号を旅するためにこそ、現実を旅する。
(同書p.163より)
それでは。今日も一日おもしろく。
( -ω- )b
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))
そこまで標準化されていないノウハウのありがたさ <外資系コンサルの知的生産術>
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コンサル本は見飽きてるけど、この本をとった理由
- そこまで標準化されていないアドバイス
- 現場にいるかのような雰囲気
- 箇条書き
そこまで標準化されていないアドバイス
現場にいるような雰囲気
箇条書き
- プロジェクトの開始時にぱらっとめくってみる
- プロジェクトでスタックしたときにぱらっとめくってみる
- プロジェクトが佳境に至ったときにぱらっとめくってみる
- プロジェクト終了直後にぱらっとめくってみる
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資金調達におけるメディアとコンテンツの関係 <クラウドファンディングで夢をかなえる本>
クラウドファンディングで夢をかなえる本 板越 ジョージ ダイヤモンド社 2014-12-12 売り上げランキング : 21456 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本の内容に入る前に、クラウドファンディングとは
クラウドファンディングにおける「1/3の法則」
コンテンツが同じであればメディアはそれを拡張するだけ
メディアとコンテンツのどっちによるか
まとめ
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NPOもファンドレイジング=資金集めのための仕組み <NPOの教科書>
初歩的な疑問から答える NPOの教科書 乙武 洋匡 佐藤 大吾 日経BP社 2015-03-05 売り上げランキング : 644 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
とっつきにくいNPO法をわかりやすく
ファンドレイジングのための仕組み
- 金集め
- 利害調整
金が集まり、利害調整されると、、、
まだまだ寄付の文化は浸透していない
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衝突や葛藤をマネジメント<甘酸っぱい経営>
甘酸っぱい経営 株式会社とNPOを併せ持つGRAモデル (カドカワ・ミニッツブック) 岩佐 大輝 ブックウォーカー 2015-03-20 売り上げランキング : 10622 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
衝突や葛藤、リスクを恐れるな。
- イノヴェーションは衝突や葛藤で生まれる
- リスクをとらなければリターンは生まれない
そもそもGRAとは
自らが産業に直接的に身を投じることでロールモデルを創ろうという株式会社によるアプローチ、地域内外の多くの人々を巻き込み、都市と地方の交流により「創発性の泉」を創る特定非営利活動法人に寄るアプローチ、双方の共創モデルにより、地方創生に挑戦するのがGRAです。
株式会社GRAは農業を強い産業とすることで地域社会に持続可能な繁栄をもたらすことをミッションとしている。
GRAも原子力発電も「衝突」がエネルギー源。違うのは、、、
- イノヴェーションは衝突や葛藤で生まれる
- リスクをとらなければリターンは生まれない
- これらをマネジメントせよ(それらから逃げることがマネジメントではない)
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常識にとらわれないルール <社長のための「非常識な会計」のルール>
こんにちわ、tomです。
今回はこちら。
会社にお金が残る 社長のための非常識な会計のルール 村形 聡 日本実業出版社 2013-05-28 売り上げランキング : 17549 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
よくあるタイトル
よくありそうな会計系の本。「お金が残る」とか「貯まる」とか「〜のための」。とネガティブなタイトルだったのですが、トンデモ本ではなかった。お金と政治がからむとトンデモ本のヒット率が高くなるんです。税金がらみ、社会保障がらみは、お金と政治の両方からむから、だいたいトンデモ本(という偏見)。
お金のことをシンプルにまとめており、専門用語もやさしく説明、無駄に乱発していない。また、基本中の基本をおさえており、これがいい。
キャッシュフローという言葉を使わないキャッシュフローの解説書
制度会計はそのままでは、中小企業経営に役立たない。PL,BSから単年度のフリーキャッシュフローを計算するといいよ、という話。キャッシュフローなんて一言もでてこない。だって中小企業は税務会計しかほとんどやっていないので、キャッシュフロー計算書なんて作らないし、見たこともない人が多いからです。これはgood point。
金回りの基本中の基本をおさえてる
節税しても将来に繰延べてるだけ、借入は儲けでしか返せない、粗利率は下げるな、などなど、基本中の基本だけど、実際に会計でどう見ていくかが説明されていてよいですね。実際、基本中の基本で頭でわかっていながら、これができていない会社は山ほどあるように思います。
ただ一点、「社長のための1年で会社を黒字にする方法」と違うのは、あくまでも会社の決算を「正しい」としていること。
社長のための 1年で会社を黒字にする方法 武田 雄治 日本実業出版社 2012-10-27 売り上げランキング : 48336 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ここは、武田先生がいうように、意外と間違っている。ってことが圧倒的に多いので、ぜひこちらもおすすめしておきます。(と思ったら、ほとんど同じようなタイトル構成と表紙で、出版社も同じだった、、)
あとは未来工業関連の本を読んで、いろんな細かい実践を積んでいけば、多くの中小企業(特に製造業)は改善できると思われます。もちろん、実践が難しくそのインストールは難しいところ。なのですが。
常識にとらわれないために
しかしながら、「非常識な会計」は規則に縛られるような不自由なものではありません。
という著者あとがきが言い得て妙、というのは、これは本書の内容をちゃぶ台返しで無に帰すと同時に、会計ルールに縛られるな、という本書が伝えたいメッセージでもあると思います。
ルールとは絶対的なものでなく、環境の変化によって変わるべきです。それこそ、毎年税制や会計基準は改正されますし、それでも環境の変化についていけていないほど。
会計というツールを経営に役立てたい。
それには会計の常識にとらわれないこと。常識にとらわれないルールはいたってシンプル。自分たちで考え、行動し、経験する。そして、経験を次に活かすということ。
シンプルだけどいいメッセージでした。
それでは、また。( -ω- )ノシ
tom
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インターネットが自分の可能性を示し脅かしている <クォンタムファミリーズ>
こんにちわ、tomです。
今回はこちら。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) 東 浩紀 河出書房新社 2013-02-05 売り上げランキング : 229569 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アズマンはいつも朝生でみていて頭のいい方だなぁとうらやましく思っていました。村上隆との対談も面白かった。けど、なぜか著書は全く読んだことがなく。いまさら読了。
どんなSF小説?
解説で筒井康隆がいうように、「現代思想としての多元宇宙SF」。わかりやすくいえば、「現代思想×パラレルワールドもの×タイムリープもの」。
この現実ではない「もうひとつの現実」の存在、言いかえれば「あったかもしれない現実」「これからあるかもしれない現実」。この複数の現実=多元宇宙が、人類を滅ぼし、家族が救われる物語。
今までなかったような読了感。村上春樹が引用されており、村上春樹はファンタジー、東浩紀はSFという感じ。
現代思想としてのSF。ネットが自分の可能性を示し自分の存在を脅かす
わたしたちの世界のすぐ隣には、無数の平行世界が開け、そしてわたしたちはネットを通じてそれらの世界と繋がっている。
(東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」より)
ネットで実際に目にしない事象を知ることができるようになり、様々な可能性が自分にインプットされていることに気がつく人も少なくありません。例えば、SNSをみていれば友人の成功談や幸福な写真に出会うでしょう。それは自分にとっても「あったかもしれない現実」だと考えられます。もしかしたら「この世界の今の自分」ではなくて、「全く違う世界を生きている(生きていた、生きていく)自分」がいるもしれない、という想像です。
量子力学、数学の世界ではその可能性は示唆されるし、むしろ「この世界の今の自分」が虚構で、「全く違う世界を生きている(生きていた、生きていく)自分」が、本当の自分、自分の現実であるかもしれない。
このように、インターネットが当たり前になった世界では、インターネットが人間の可能性を示しながらも、現実の自分の境界をぼやかし、侵食し、脅かしていく。まさにいまこの世界を現代思想の視点で、SF要素を交えながら描いている名作です。
物語内では、「いま」「ここで」「何のために」生きるのか、そんなことはどうでもいいと主人公は考え始めます。なぜなら、そう考える自分でさえ量子演算されるパラメータ数値やその塊でしかありません。計算結果でしかないからです。ありえたかもしれない可能性を信じ始める(可能性に脅かされる)と「何のために生きているのか」自分の存在意義は何なのかがぼやけていきます。そのなかで存在意義はもはやないけど、やらなければならないこと(やりたかったことでもあるのでしょう)を最期にやり遂げる主人公の姿には感動しました。
キャリア論に結び付ける
そういえば、最近、上司と30歳を越えてからのキャリアの話をしました。「この先色々な経験ができるだろうが、その一方であったかもしれない別の機会は失われていく」といった機会費用みたいな話です。海外にいくと国内の仕事は薄くなるし、国内にいる限り海外の仕事には限界があるというよくあるはなし。これは、まさにクォンタムファミリーズの話でもあるし、本書に幾度となく登場する村上春樹の「35歳問題」の話です。
一時間ほど話して、「やりたきゃやればいいじゃん」ということで私と上司は納得できたように思います。
結局「やりたきゃやればいい」と思えるのは、可能性を捨てることではなくて、可能性を信じているからこそ行動に移せるのです。(まだ移してないけど)それがどんなにつらい行動であり、つらい未来となってしまうとわかっていても、むしろつらい未来が予測されるからこそその可能性を信じなければそのとき後悔してしまうでしょう。本書でも、可能性を探しているうちは主人公たちの行動もいまいち定まっていないように感じられ、可能性を信じたときその行動に感動を覚えるのです。
「可能性に殺されるぞ!」
というのはガンダムユニコーンのリディの台詞(と記憶しています)。可能性を信じていない人だということが、一言で表されています。インターネットが、人間の可能性を示す大きな社会システムとして動く一方で、可能性に殺されてしまうことというのも多々あります。逆説的ではありますが、
「可能性に殺されるかどうかは可能性を信じているかどうか」
で決まってくるのではないかと感じました。
(なお、自分の可能性を信じることと、自分を信じることは似ているようで、この違いはかなり大きいものなんじゃないかと思います。)
それでは、また。( -ω- )ノシ
tom
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